研修

海外研修・調査

民間社会福祉施設職員等海外研修・調査:研修報告

2023年度高齢者班

認知症におけるサポート内容やケアのあり方について

1.本研修で学んだこと
個別ケアの重要性について学ぶことができました。特に、認知症ケアに対する介護は学ぶべきことが多くありました。
薬に頼ることなく身体に触れマッサージを行い精神的に落ち着かせていることや、そのマッサージを介護員誰でもできるということには感銘を受けました。リハビリやアクティビティなど、介護員が変わっても同じ対応ができるように、チームでしっかりと共有できていることには驚きを感じています。
また、カンファレンスを多く開催していることにも驚きました。専門職だけに頼るのではなく、専門職からの指導を受けることで、一人のご利用者をしっかりとサポートしているところは素晴らしいと感じました。
2.自身及び所属施設と比較し、考え方や方針の共通点または相違点、課題と思われること
私たちの施設では、看護師、理学療法士・作業療法士、介護員間での共通認識はあるものの、看護師は医療、理学療法士・作業療法士はリハビリ、介護員は介護と分割されています。また、その専門職に任せきりになっている状況でもあります。
個別ケアの重要性はしっかりと認識し考えていますが、介護業務を担う職員数が減ってきていることもあり、業務に追われていることで、個別ケアの意識が少し薄れていることが現在の課題と感じています。少ない人数でも、どのように取り組んでいくかを検討していく必要性を強く感じています。
3.上記2つを踏まえ、今後活かしていきたいこと
スウェーデンの施設を今回見学させていただきました。見ているだけでも「楽しそうだな」「食事はおいしそうだな」「部屋が綺麗で気持ちいいな」「自分も老後はこういった施設に住みたいな」と強く感じました。今回、海外研修を受けたことで、いろいろな考え方ややり方を知ることができました。今の制度上、全てを取り入れていくことは困難ではありますが、自分の施設で受け入れやすいものから取り入れ、自分が高齢になり介護が必要になったときに、住みたいと思う町づくりや施設にしていければと思いました。今回の研修を活かして取り組んでいきたいと思います。

高齢者がより良い生活を実現するために必要なケアとは

1.本研修で学んだこと
特別養護老人ホームと役割が近い特別住宅に着眼点を当てながら今回の研修に参加したが、まず感じたのは建物の造りの違いである。居室が刑務所的にならないよう私物を沢山置いたり壁に写真等を飾る等がしてあり、自身の住んでいる部屋だと感じやすい雰囲気をつくることが大切だと学んだ。
食事の時間は決まった時間ではなく個々の好きな時間に食べる、集団で食べるのが苦手な人は自分の部屋で食べる等、施設の決めた時間ではなく本人に合わせた食事提供を行っていると感じた。
アクティビティは集団で行うものと個別で行うものがあり、本人が好きなコーヒーを飲んでリラックスすることもアクティビティの一つであり、その人にあったアクティビティをみつけ提供していくことが大切だと学んだ。個別ケアについて今一度考える必要があると考える機会をいただいたと感じた。
2.自身及び所属施設と比較し、考え方や方針の共通点または相違点、課題と思われること
所属施設はユニットケアではなく従来型の建物であり集団ケアとなっているのが現状である。食事、入浴、排泄等のケアに追われ、個別ケアやアクティビティまでなかなか行き届いていない部分が多い。食事、排泄、入浴等の時間も施設や職員が決めた時間に利用者が合わせているのが現状となっている。
スウェーデンの施設スロッツォヴァーレンでは補助器具を活用することで介護スタッフの身体的負担がほとんどないとのことであったが、所属施設では補助器具があっても活用しきれていない部分があり介護スタッフの負担軽減には至っていない。
また、スウェーデンでは寝たきり高齢者が少ないとのことであるが、所属施設では寝たきりの状態で入所するケースが多い。そのためご本人から意向を聞くことができず、家族の意向や職員の判断によるケアの選択となるため、自己決定・自己選択というのは困難なのが現状である。
3.上記2つを踏まえ、今後活かしていきたいこと
個々の利用者に合わせたその人らしい生活を支援することが理想であるが、人員不足等を理由にいつの間にか施設や職員の都合に利用者が合わせていることが現状となっている。職員が利用者に合わせたケア、支援をしていくことを基本とし、その人は今何をしたいのか、何を望んでいるのかをアセスメントし、個々に合わせたケアを提供していけるようにしていきたいと感じた。
アクティビティというと集団レクリエーションのイメージがあり、認知症が重度であったり寝たきりの状態の方が多く、なかなか行えていなかった。今回の研修で個別で行うもの、好きなことをする、好きなものを食べる・飲む等もアクティビティだと学んだため、利用者にとってより良い生活につなげられるようにしていきたい。
今回の研修で介護とは本来どういったものなのかを改めて考える機会をいただいたため、利用者にとってより良い生活ができるようなケアを考えていけるようにしたい。
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