研修

海外研修・調査

民間社会福祉施設職員等海外研修・調査:研修報告

2024年度高齢者班

認知症高齢者に対するサポート内容やケアの在り方について

1.本研修で学んだこと
デンマークのナーシングホームや認知症ケアハウスでは、スタッフの関わりだけでなく、環境づくりにも重点を置き、高齢者の生活をケアしているのだと学んだ。特に印象に残ったのは、座ると包み込まれるように設定された椅子や、スパと感覚の部屋というリラックス空間を設けている場所があることである。他にもコントラストを意識した建物、壁面のポスターや写真など、何気なく目にする物は全て心理学面からアプローチをしていることを学んだ。これらの環境づくりが生活面からのケアを可能にし、高齢者はより心豊かに過ごすことができるのだと理解することができた。
2.自身及び所属施設と比較し、考え方や方針の共通点または相違点、課題等
ケアの考え方の共通点として、所属施設における認知症ケアは「パーソンセンタードケア」に基づいて実践していることである。認知症の方を一人の人として尊重することを念頭に置いた支援を心がけている。認知症介護実践者研修にも積極的に参加し、実践へとつなげることを目指している。
また、相違点は入居ユニットの分け方である。認知症センターピーレフセットでは、認知症の原因疾患別や症状の重さによってユニット分けをしているが、所属施設ではフロアを利用者別で明確に区分していない。症状を中心にユニットを分けることで、症状特性に合わせたケアを可能にすると理解することができた。
3.上記2つを踏まえ、今後活かしていきたいこと
所属する施設は入所施設であるが、介護老人保健施設という機能上、在宅生活とのつながりが欠かせない。誰もが「施設」を感じる生活は心が落ち着かず、自宅での生活の継続を求めたくなるのではないかと考える。今までは利用者一人ひとりの自宅生活に焦点を置き、個人の居住空間やレイアウトを自宅同様の環境設定として行ってきた。しかし、今後はそれだけでなく視野を広くして、施設全体を「施設」から自宅生活に近づける環境づくりを行う必要があると考える。職員などの人が中心のケアだけでなく、環境が高齢者の生活を豊かにすると学んだ。テクノロジーなどの補助器具の活用や、建物などの生活をする上で目に入る全てのものに意識を向け、環境づくりに取り組んでいきたい。

認知症高齢者に対するサポート内容やケアの在り方について

1.本研修で学んだこと
生活の場である環境が利用者にとって影響が大きく、馴染みのある居場所作りの大切さを学んだ。生活の場が施設というコンパクトな環境になっても、利用者にできる事、する事を提案し、利用者の個性を尊重しながら、同じ時間を共有する事が必要であり、また認知症の症状に合わせた個別のケアを行う事で症状の重症化を防いだり、改善する事を学んだ。他、職員の教育制度が整っており、個別の支援の仕方について個別カードを作成、利用している事を学んだ。
2.自身及び所属施設と比較し、考え方や方針の共通点または相違点、課題等
認知症高齢者に対するサポート内容やケアの在り方についての考え方や方針は当事業所と変わらない。私の介護支援専門員としての業務は直接介護する事がないため、介護者に伝え、理解を促し、同意の上で実践してもらう役割である。そのため、いかに生活環境が大切か、症状に合わせた個別のケアが必要かを伝える必要がある。この伝える力や実践しやすく後押しできる提案ができるかどうかが課題となっている。日本独特の柔らかな表現が、何度説明しても理解が得られなかったり、相手の価値観と制度のルールとの差が埋まらず調整が困難な場面が以前に比べ増えている。
3.上記2つを踏まえ、今後活かしていきたいこと
生活環境が利用者に与える影響は大きいが、環境整備には費用やスペースの確保など、できない事も多いため小さい事でもできる事から始めて、できない事や難しい事は代替え案を考えていきたい。また、個別のケアは、課題を小さく分け、小さい事の中で、できる事を見出す必要がある。できない事ばかりに注目せず、できることに注目し、続けられるように支援したい。
また介護者に個別ケアに必要な事を伝えられるように、常に利用者を観察し情報収集した事を伝えていき、その実践の一つの方法として個別カードに支援内容を記載する事を取り組んでいきたい。
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