研修

海外研修・調査

民間社会福祉施設職員等海外研修・調査:研修報告

2023年度障害者班

ノーマライゼーションの考え方に基づく、障害者福祉について

1.本研修で学んだこと
今まで北欧は福祉国家と呼ばれ福祉に対して国家レベルでの対策が取られている事は知っていたが、実際にデンマークで福祉に携わっている方々の話を聞いてリアルな現場の姿が伝わってきた。
障がいをもった方々が自分自身で様々な選択していてそれをサポートする周りの人も自主的に動いていた。健常者が“やってあげている”ではなく、第一に障がい者の権利や主張がありその上で出来ない部分をサポートしてもらうという考え方がノーマライゼーションそのものだなと感じた。
2.自身及び所属施設と比較し、考え方や方針の共通点または相違点、課題と思われること
私の所属している事業所では様々な障がいをもった方々が来所しているため、苦手な事や得意な事がバラバラである。一つの作業に関しても書面で理解できる人、写真があると理解できる人、口頭で理解できる人など人によって異なる。それぞれの利用者さんに対してどうすれば安心して作業ができるか、どうすれば自立につながるのかを日々考えながら試行錯誤を重ねている。“できないからダメ”ではなく“どうすればできるのか”を考えていく姿勢は常に持っている。ホリゾンテンでも個々に合わせた学習コースを作っていて、職員がサポートをしている姿が共感できた。
3.上記2つを踏まえ、今後活かしていきたいこと
動画の中で見た障がいをもった方々がとても活き活きしていて、自分のやりたい事や興味のある事をやっている姿は本来のその人を表しているように見えた。デンマークのように国家レベルでの対策というのは、今すぐは難しいのかもしれないが、事業所や地域レベルでは可能だと思った。
今までも意識をしていたつもりだったが、今後はよりその人自身に目を向けて考えていく必要があると感じた。
ノーマライゼーションは一人一人の意識や考え方が変わっていけば社会全体にその概念が自然と広がっていくのかなと思う。その気持ちを忘れずに今後も福祉に携わっていきたい。

ノーマライゼーションの考え方に基づく「自己決定」と「自立支援」について

1.本研修で学んだこと
本研修でデンマークにおけるこれまでの社会福祉の歴史、現在の社会福祉の在り方について学ぶことができた。現在、福祉先進国といわれるデンマークであるが、最初から現在の福祉国家といわれるような環境ではなく、今まで数々の社会的な課題、問題を経験し、そのたび誰かがおかれる状況に問いをもち、行動を起こしてきて今がある。
現在は情報化社会であり世界中の情報を取り入れやすい状況にある。それは違う価値観にふれやすい、自分たちの状況に問いをもちやすいともいえる。日本においてもここ数十年の間に社会福祉観は大きな変化をしてきている。
障がいを持たれる方、社会的な困りを持たれた方たちの声に耳を傾け、現在の環境に問いをもち、行動を起こすことが重要だと学んだ。
2.自身及び所属施設と比較し、考え方や方針の共通点または相違点、課題と思われること
パーソナル・アシスタント制度について学んだが、障がい者の個人の自由と自立生活を送る為の制度であり、利用する人が雇用主という立場になるということであった。それは障がいのある方と支援をする方とが社会的に平等の立場に置かれているものであると感じた。
自分自身や所属する施設のことを振り返ると、支援をする側される側という強い立場と弱い立場という構造があると感じる。その関係性は主体が支援者側になりやすく、一方的な思いや考え方でのサービスになりやすいのではないだろうか。自分自身の施設、また、日本においては社会福祉に対して「慈善」の色がいまだ強く、「社会権」としての認識を高めていくことが今後大きな課題ではないかと考える。
3.上記2つを踏まえ、今後活かしていきたいこと
実際に海外の社会福祉について文献やインターネット等でも学ぶ機会はあったが、実際に当事者や、同等の職に就かれた方の声をきくのは初めてであった。本研修に参加できたことで、新しい価値観にふれることができ、自分自身の価値観に問いをもつことができた。また、福祉の職に就く方々が共通の課題や思いをもっている事も知ることができた。
本研修に参加したことで自分自身の中で海外の社会福祉についての興味の高まりを感じる。今後も視野を広く持ち色々な価値観、情報を取り入れ、ノーマライゼーションの理念の理解について深めていきたい。そして職場や周りの人に、得た経験や知識を伝達し、障害のある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会の実現に寄与していきたいと考える。
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