第36回(令和5年度)社会福祉士国家試験午前の問題
人体の構造と機能及び疾病
- 問題1 成熟時の発達を100%としたスキャモン(Scammon, R.)の臓器別発育曲線に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 25歳を100%として表している図である。
- 2 身長など一般型はS字型カーブを示す。
- 3 リンパ型は12歳頃に約90%となる。
- 4 神経型は12歳頃に最も発達する。
- 5 生殖型は12歳頃に70%となる。
- 問題2 事例を読んで、国際生活機能分類(ICF)のモデルに基づく記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(78歳、男性)は脳梗塞を発症し左片麻痺{かたまひ}となった。室内は手すりを伝って歩いている。外出時は車いすが必要で、近隣に住む長女が車いすを押して買物に出かけている。週1回のデイサービスでのレクリエーションに参加するのを楽しみにしている。
- 1 年齢、性別は「心身機能」に分類される。
- 2 左片麻痺は「個人因子」に分類される。
- 3 手すりに伝って歩くことは「活動」に分類される。
- 4 近隣に長女が住んでいるのは「参加」に分類される。
- 5 デイサービスの利用は「環境因子」に分類される。
- 問題3 次のうち、身体障害者手帳の交付対象となる内部障害として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 視覚障害
- 2 そしゃく機能障害
- 3 平衡機能障害
- 4 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
- 5 体幹機能障害
- 問題4 目の構造と病気に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 眼球の外層にある白目の部分は角膜である。
- 2 白内障は水晶体が混濁してものが見えにくくなる。
- 3 緑内障は眼圧が下がって視野障害を来す。
- 4 加齢黄斑変性症では視力は保たれる。
- 5 糖尿病性網膜症では失明は起こらない。
- 問題5 自閉スペクトラム症(ASD)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 成人になってから発症する。
- 2 こだわりは強くない。
- 3 幻覚がみられる。
- 4 常同的な行動は認められない。
- 5 相手の気持ちを理解することが苦手である。
- 問題6 次のうち、精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)において、発達障害に当たる「神経発達症群/神経発達障害群」に分類されるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 神経性無食欲症
- 2 統合失調症
- 3 パニック障害
- 4 適応障害
- 5 注意欠如・多動症(ADHD)
- 問題7 廃用症候群に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 若年者にも生じる。
- 2 数日間の安静では、筋力低下は起こらない。
- 3 長期臥床{がしょう}により筋肉量が増加する。
- 4 骨粗鬆症{こつそしょうしょう}は安静臥床により改善する。
- 5 予防することはできない。
心理学理論と心理的支援
- 問題8 知覚に関する次の記述のうち、大きさの恒常性の事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 形と大きさが同じ図形は、空間内でまとまっているように知覚される。
- 2 電光掲示板で表示されている絵や文字が動いて、大きさが変化して見える。
- 3 同じ人物が遠くにいる場合と近くにいる場合とでは、距離の違いほどに人の大きさが違って見えない。
- 4 線遠近法を使った絵画では、奥行きを感じることで書かれている物の大きさの違いが知覚される。
- 5 月を見ると、建物の上など低い位置にあるときは、天空高くにあるときよりも大きく見える。
- 問題9 次の記述のうち、オペラント条件づけの事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 電車に乗っているときに事故にあってしまい、それ以降電車に乗るのが怖くなってしまった。
- 2 以前に食べたときに体調が悪くなった食品を見ただけで、気分が悪くなってしまった。
- 3 犬にベルの音を聞かせながら食事を与えていると、ベルの音だけで唾液が分泌するようになった。
- 4 人に迷惑をかけるいたずらをした子どもを叱ったら、その行動をしなくなった。
- 5 病院で受けた注射で痛い経験をした子どもが、予防接種のときに医師の白衣を見ただけで怖くなって泣き出した。
- 問題10 記憶に関する次の記述のうち、ワーキングメモリー(作動記憶)について、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 自転車の運転など、一連の動作に関する記憶である。
- 2 休みの日に外出したなど、個人の経験に関する記憶である。
- 3 カラスは鳥であるなど、一般的な知識に関する記憶である。
- 4 感覚器が受け取った情報を、長期間そのまま保持する記憶である。
- 5 暗算をするときなど、入力された情報とその処理に関する一時的な記憶である。
- 問題11 職場でうまく適応できない原因に関する相談者の次の発言のうち、ワイナー(Weiner, B.)による原因帰属の理論に基づき、安定し、かつ外的な原因による例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 自分の能力不足が原因だと思います。
- 2 最近の体調不良が原因です。
- 3 業務内容が難しかったことが原因です。
- 4 たまたま運が悪かったのが原因です。
- 5 自分の努力不足が原因だと感じています。
- 問題12 心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状に関する次の記述のうち、回避症状の事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 ささいな事でもひどく驚いてしまうようになった。
- 2 事故が起きたのは全て自分のせいだと考えてしまう。
- 3 つらかった出来事を急に思い出すことがある。
- 4 交通事故にあった場所を通らないようにして通勤している。
- 5 大声を聞くと虐待されていたことを思い出し苦しくなる。
- 問題13 次のうち、小学校就学前の5歳児を対象とできる心理検査として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 矢田部ギルフォード(YG)性格検査
- 2 田中ビネー知能検査V
- 3 ミネソタ多面人格目録(MMPI)
- 4 文章完成法テスト(SCT)
- 5 WAIS-Ⅳ
- 問題14 クライエント中心療法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 クライエントの話を非指示的に傾聴していく。
- 2 解決に焦点をあわせ、クライエントの強みを発展させる。
- 3 クライエントの家族関係を変容しようとする。
- 4 クライエントの意識を無意識化していく。
- 5 クライエントの認知や行動に焦点を当てていく。
社会理論と社会システム
- 問題15 持続可能な開発目標(SDGs)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 1989年にアメリカのオレゴン州で策定された、行政評価のための指標である。
- 2 生活に関する八つの活動領域から構成された指標である。
- 3 貧困に終止符を打つとともに、気候変動への具体的な対策を求めている。
- 4 1995年より毎年各国の指数が公表されている。
- 5 貨幣換算した共通の尺度によって、一律に各指標を測定する。
- 問題16 次の記述のうち、ウェルマン(Wellman, B.)のコミュニティ解放論の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 特定の関心に基づくアソシエーションが、地域を基盤としたコミュニティにおいて多様に展開しているとした。
- 2 現代社会ではコミュニティが地域という空間に限定されない形で展開されるとした。
- 3 人口の量と密度と異質性から都市に特徴的な生活様式を捉えた。
- 4 都市の発展過程は、住民階層の違いに基づいて中心部から同心円状に拡大するとした。
- 5 アメリカの94のコミュニティの定義を収集・分析し、コミュニティ概念の共通性を見いだした。
- 問題17 次のうち、人々が社会状況について誤った認識をし、その認識に基づいて行動することで、結果としてその認識どおりの状況が実現してしまうことを指す概念として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 予言の自己成就
- 2 創発特性
- 3 複雑性の縮減
- 4 ホメオスタシス
- 5 逆機能
- 問題18 「第16回出生動向基本調査結果の概要(2022年(令和4年))」(国立社会保障・人口問題研究所)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 「いずれ結婚するつもり」と回答した未婚者の割合が、これまでの出生動向基本調査の中で最も高かった。
- 2 第1子の妊娠が分かった時に就業していた妻が、子どもが1歳になった時も就業していたことを示す「就業継続率」は、2015年(平成27年)の調査の時よりも低下した。
- 3 「結婚したら子どもを持つべき」との考えに賛成する未婚者の割合は、2015年(平成27年)の調査の時よりも上昇した。
- 4 未婚男性がパートナーとなる女性に望む生き方として、結婚し、子どもをもつが、仕事も続ける「両立コース」が最も多く選択された。
- 5 子どもを追加する予定がほぼない結婚持続期間15~19年の夫婦の平均出生子ども数(完結出生子ども数)は、2015年(平成27年)の調査の時よりも上昇した。
- 問題19 次の記述のうち、ライフサイクルについての説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 個人の発達の諸段階であり、生物学的、心理学的、社会学的、経済学的な現象がそれに伴って起きることを示す概念である。
- 2 生活を構成する諸要素間の相対的に安定したパターンを指す概念である。
- 3 社会的存在としての人間の一生を、生まれた時代や様々な出来事に関連付けて捉える概念である。
- 4 個人の人生の横断面に見られる生活の様式や構造、価値観を捉えるための概念である。
- 5 人間の出生から死に至るプロセスに着目し、標準的な段階を設定して人間の一生の規則性を捉える概念である。
- 問題20 次のうち、信頼、規範、ネットワークなどによる人々のつながりの豊かさを表すために、パットナム(Putnam, R.)によって提唱された概念として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 ハビトゥス
- 2 ソーシャルキャピタル(社会関係資本)
- 3 文化資本
- 4 機械的連帯
- 5 外集団
- 問題21 次の記述のうち、囚人のジレンマに関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 協力し合うことが互いの利益になるにもかかわらず、非協力への個人的誘因が存在する状況。
- 2 一人の人間が二つの矛盾した命令を受けて、身動きがとれない状況。
- 3 相手のことをよく知らない人同士が、お互いの行為をすれ違いなく了解している状況。
- 4 非協力的行動には罰を、協力的行動には報酬を与えることで、協力的行動が促される状況。
- 5 公共財の供給に貢献せずに、それを利用するだけの成員が生まれる状況。
現代社会と福祉
- 問題22 福祉における政府と民間の役割に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 平行棒理論とは、救済に値する貧民は救貧行政が扱い、救済に値しない貧民は民間慈善事業が扱うべきだとする考え方を指す。
- 2 繰り出し梯子{はしご}理論とは、ナショナルミニマムが保障された社会では、民間慈善事業が不要になるとの考え方を指す。
- 3 社会市場のもとでは、ニーズと資源との調整は、価格メカニズムにより行われ、そこに政府が関与することはない。
- 4 準市場のもとでは、サービスの供給に当たり、競争や選択の要素を取り入れつつ、人々の購買力の違いによる不平等を緩和するための施策が講じられることがある。
- 5 ニュー・パブリック・マネジメント(NPM)とは、福祉サービスの供給に参入した民間企業の経営効率化のために、その経営に行政職員を参画させる取組を指す。
- 問題23 次のうち、1930年代のアメリカにおけるニューディール政策での取組として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 社会保障法の制定
- 2 公民権法の制定
- 3 メディケア(高齢者等の医療保険)の導入
- 4 ADA(障害を持つアメリカ人法)の制定
- 5 TANF(貧困家族一時扶助)の導入
- (注) 「障害を持つアメリカ人法」とは、「障害に基づく差別の明確かつ包括的な禁止について定める法律」のことである。
- 問題24 日本の貧困に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 日本の2010年代における「貧困率」は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均を大きく下回っている。
- 2 「2019年国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)によれば、子どもがいる現役世帯の世帯員の「貧困率」は、「大人が二人以上」の世帯員よりも「大人が一人」の世帯員の方が高い。
- 3 「2019年国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)によれば、子どもの「貧困率」は10%を下回っている。
- 4 「平成29年版厚生労働白書」によれば、高齢者の「貧困率」は、子どもの「貧困率」に比べて低い。
- 5 2018年(平成30年)の時点で、生活保護世帯に属する子どもの大学進学率は60%を超えている。
- (注) ここでいう「貧困率」とは、等価可処分所得が中央値の半分に満たない世帯員の割合(相対的貧困率)を指す。
- 問題25 次の記述のうち、ブラッドショー(Bradshaw, J.)のニード類型を踏まえたニードの説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 クライエントがニードを表明しなければ、ニードのアセスメントを行うことはできない。
- 2 社会規範に照らしてニードの有無が判断されることはない。
- 3 クライエントと専門職との間で、ニードの有無の判断が食い違うことはない。
- 4 他人と比較してニードの有無が判断されることはない。
- 5 クライエントがニードを自覚しなければ、クライエントからのニードは表明されない。
- 問題26 次のうち、日本における第1次ベビーブーム期の出生者が後期高齢者になるために、国が示した、医療や介護等の供給体制を整備する目途となる年次として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 1973年(昭和48年)
- 2 1990年(平成2年)
- 3 2000年(平成12年)
- 4 2025年(令和7年)
- 5 2035年(令和17年)
- 問題27 次のうち、「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」で示された内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 在留外国人の出身国籍が多様化する傾向が止まり、南米諸国出身の日系人が在留者の大部分を占めるようになった。
- 2 日本社会に活力を取り込むために、高度で専門的な技術・知識を有する者以外の外国人材の受入れを抑制する。
- 3 外国人との共生社会は、一人ひとりの外国人が日本社会に適応するための努力をすれば実現可能である。
- 4 外国人が安全に安心して暮らせるように、外国人に対する情報発信や相談体制を強化する。
- 5 共生社会の実現のために、在留外国人には納税及び社会保険への加入の義務を免除する。
- (注) 「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」とは、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議が2022年(令和4年)6月14日に策定した文書のことである。
- 問題28 次のうち、エスピン-アンデルセン(Esping-Andersen, G.)の福祉レジーム論に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 福祉レジームは、残余的モデルと制度的モデルの2つの類型からなる。
- 2 市場や家族の有する福祉機能は、福祉レジームの分析対象とはされない。
- 3 スウェーデンとドイツは同一の福祉レジームに属する。
- 4 各国の社会保障支出の大小といった量的差異に限定した分析を行っている。
- 5 福祉レジームの分析に当たり、脱商品化という概念を用いる。
- 問題29 所得の再分配に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 市場での所得分配によって生じる格差を是正する機能を有しうる。
- 2 現物給付を通して所得が再分配されることはない。
- 3 同一の所得階層内部での所得の移転を、垂直的な所得再分配という。
- 4 積立方式による公的年金では、世代間の所得再分配が行われる。
- 5 高所得者から低所得者への所得の移転を、水平的な所得再分配という。
- 問題30 次のうち、社会福祉法に設置根拠をもつものとして、正しいものを2つ選びなさい。
- 1 地域包括支援センター
- 2 母子家庭等就業・自立支援センター
- 3 福祉に関する事務所(福祉事務所)
- 4 運営適正化委員会
- 5 要保護児童対策地域協議会
- 問題31 居住支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 住宅確保要配慮者居住支援協議会は、住宅確保要配慮者に対して家賃の貸付けを行っている。
- 2 住居確保給付金は、収入が一定水準を下回る被用者に限定して、家賃を支給するものである。
- 3 シルバーハウジングにおけるライフサポートアドバイザーは、身体介護を行うために配置されている。
- 4 「住宅セーフティネット法」は、住宅確保要配慮者が住宅を購入するための費用負担についても定めている。
- 5 地方公共団体は、公営住宅法に基づき、住宅に困窮する低額所得者を対象とする公営住宅を供給している。
- (注) 「住宅セーフティネット法」とは、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」のことである。
地域福祉の理論と方法
- 問題32 社会福祉協議会の歴史に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 1951年(昭和26年)に制定された社会福祉事業法で、市町村社会福祉協議会が法制化された。
- 2 1962年(昭和37年)に社会福祉協議会基本要項が策定され、在宅福祉サービスを市町村社会福祉協議会の事業として積極的に位置づける方針が示された。
- 3 1983年(昭和58年)に社会福祉事業法が一部改正され、都道府県社会福祉協議会を実施主体とする地域福祉権利擁護事業が開始された。
- 4 1992年(平成4年)に新・社会福祉協議会基本要項が策定され、社会福祉協議会の活動原則として住民主体の原則が初めて位置づけられた。
- 5 2000年(平成12年)に社会福祉法へ改正されたことにより、市町村社会福祉協議会の目的は地域福祉の推進にあることが明文化された。
- 問題33 地域福祉に関連する法律、事業に規定されている対象に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 ひきこもり支援推進事業の対象となるひきこもり状態にある者のひきこもりとは、「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」によれば、原則的には2年以上家庭にとどまり続けていることをいう。
- 2 ヤングケアラー支援体制強化事業におけるヤングケアラーとは、家族への世話などを日常的に行っている18歳から39歳までの者をいう。
- 3 生活福祉資金の貸付対象における低所得世帯とは、資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって、必要な資金の融通を他から受けることが困難である者をいう。
- 4 生活困窮者自立支援法における生活困窮者とは、最低限度の生活を維持できていない者をいう。
- 5 日常生活自立支援事業の対象者とは、本事業の契約内容について理解できない者のうち、成年後見制度を利用していない者をいう。
- (注) 「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」とは、厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業(厚生労働省)においてまとめられたものである。
- 問題34 次の記述のうち、市町村地域福祉計画に関する社会福祉法の規定として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 社会福祉を目的とする事業に従事する者の確保又は資質の向上に関する事項について定める。
- 2 福祉サービスの適切な利用の推進及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達のための基盤整備に関する事項について定める。
- 3 地域における高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉に関し、共通して取り組むべき事項について定める。
- 4 市町村地域福祉計画を定め、または変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県の意見を聞かなければならない。
- 5 市町村地域福祉計画の公表に当たって、市町村はその内容等について、都道府県の承認を受けなければならない。
- 問題35 社会福祉法に規定されている市町村による重層的支援体制整備事業に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 重層的支援体制整備事業は、地域生活課題の解決に資する包括的な支援体制を整備するための事業である。
- 2 重層的支援体制整備事業は、市町村の必須事業である。
- 3 市町村は、重層的支援体制整備事業の実施にあたって、包括的相談支援事業、参加支援事業、地域づくり事業のいずれか一つを選択して、実施することができる。
- 4 重層的支援体制整備事業のうち、包括的相談支援事業は、住宅確保要配慮者に対する居住支援を行う事業である。
- 5 市町村は、重層的支援体制整備事業実施計画を策定しなければならない。
- 問題36 地域福祉に係る組織、団体に関する現行法上の規定の内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 特定非営利活動促進法において、特定非営利活動法人は、内閣府の認可により設立される。
- 2 民生委員法において、民生委員協議会は、民生委員の職務に関して、関係各庁に意見を具申することができる。
- 3 社会福祉法において、社会福祉法人は、社会福祉事業以外の事業を実施してはならない。
- 4 保護司法において、保護司会連合会は、市町村ごとに組織されなければならない。
- 5 社会福祉法において、市町村社会福祉協議会の役員には、関係行政庁の職員が5分の1以上就任しなければならない。
- 問題37 事例を読んで、生活困窮者自立相談支援事業のB相談支援員(社会福祉士)の支援方針として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Cさん(60歳)は、一人暮らしで猫を多頭飼育している。以前は近所付き合いがあったが今はなく、家はいわゆるごみ屋敷の状態である。B相談支援員は、近隣住民から苦情が出ていると民生委員から相談を受けた。そこでBがCさん宅を複数回訪問すると、Cさんは猫を可愛がっており、餌代がかかるため、自身の食事代を切り詰めて生活していることが分かった。Cさんは、今の生活で困っていることは特になく、近隣の苦情にどのように対応すればよいか分からない、と言っている。
- 1 Cさんの衛生環境改善のため、市の清掃局にごみを強制的に回収してもらうことにする。
- 2 Cさんの健康のため、保健所に連絡をして猫を引き取ってもらうことにする。
- 3 Cさんの地域とのつながりを回復するため、苦情を言う住民も含めて、今後の関わり方を検討することにする。
- 4 Cさんの主体性を尊重するため、Cさんに積極的に関わることを控えることにする。
- 5 Cさんと地域とのコンフリクトを避けるため、引っ越しのあっせんを行うことにする。
- 問題38 地域福祉の財源に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 市区町村社会福祉協議会の平均財源構成比(2019年(平成31年))をみると、会費・共同募金配分金・寄付金を合計した財源の比率が最も高い。
- 2 共同募金は、社会福祉を目的とする事業を経営する者以外にも配分できる。
- 3 社会福祉法人による地域における公益的な取組とは、地元企業に投資し、法人の自主財源を増やしていくことである。
- 4 個人又は法人が認定特定非営利活動法人に寄付をした場合は、税制上の優遇措置の対象となる。
- 5 フィランソロピーとは、SNSなどを通じて、自らの活動を不特定多数に発信し寄附金を募る仕組みである。
- 問題39 事例を読んで、N市において地域福祉計画の策定を担当しているD職員(社会福祉士)が策定委員会での意見を踏まえて提案したニーズ把握の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
地域福祉計画の改定時期を迎えたN市では、その見直しに向け策定委員会で協議を行った。委員の一人から、「子育て世代に向けた施策や活動が十分ではない」という提起があった。また、これに呼応して、「子育て世代といっても、様々な環境で子育てをしている人がいる」「まずは子育て中の人の生の声を実際に聞いた方がよい」といった意見に賛同が集まった。Dは、こうした声を踏まえて、どのように多様な子育て世代のニーズを把握すれば良いかについて考え、最も有効と思われる方法を策定委員会に提案した。
- 1 N市の子育て支援課の職員(社会福祉士)を対象とした個別インタビュー
- 2 子育て中の親のうち、世代や環境等の異なる親たちを対象としたグループインタビュー
- 3 利用者支援事業の相談記録を対象とした質的な分析
- 4 特定の小学校に通う子どもの保護者を対象とした座談会
- 5 保育所を利用している全世帯を対象としたアンケート調査
- 問題40 事例を読んで、包括的な支援体制の構築に向けて、社会福祉協議会のE職員(社会福祉士)が行う支援の方針として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
P地区では、Q国の外国人居住者が増加している。Fさんは、Q国の外国人居住者のまとめ役を担っており、Eのところに相談に訪れた。Fさんは、日常会話程度の日本語は話せるが、日本の慣習に不慣れなために、過去に近隣住民とトラブルが生じてしまい、地域で気軽に相談できる日本人がいない。Fさんを含めて、P地区で暮らす外国人の多くが、地域活動にはあまり参加していない状態で、地域から孤立しているようである。Eは、このような外国人居住者の社会的孤立の問題を解決するための対策を検討した。
- 1 Fさんらを講師として招き、地域で暮らす外国人居住者の暮らしや文化について、近隣住民が学ぶ機会を設ける。
- 2 日本語が上達できるよう、Fさんに日本語の学習教材を提供する。
- 3 外国人居住者が主体的に参加できるように、これまでの地域活動のあり方を見直す。
- 4 近隣住民と再びトラブルが生じることを避けるため、自治会長に外国人居住者に対する生活指導を依頼する。
- 5 外国人居住者に日本の文化や慣習を遵守させるため、地域のルールを作成する。
- 問題41 事例を読んで、A市社会福祉協議会のG生活支援コーディネーター(社会福祉士)が提案する支援策等として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
A市のUボランティアグループのメンバーから地域の空き家を活用した活動をしたいという相談があった。そこでGが「協議体」の会議で地区の民生委員に相談すると、その地区では外出せずに閉じこもりがちな高齢者が多いということであった。Gはグループのメンバーと相談し、そのような高齢者が自由に話のできる場にすることを目標に、週2回、通いの場を開設した。1年後、メンバーからは「顔馴染みの参加者は多くなったが、地域で孤立した高齢者が来ていない」という声が上がった。
- 1 地域で孤立していると思われる高齢者が、通いの場になにを望んでいるかについて、地区の民生委員に聞き取り調査への協力を依頼する。
- 2 通いの場に参加している高齢者に対して、活動の満足度を調査する。
- 3 孤立した高齢者のための通いの場にするためにはなにが必要かについて「協議体」で議論する。
- 4 孤立した高齢者が参加するという目標を、現在の活動に合ったものに見直す。
- 5 孤立している高齢者向けに健康体操等の体を動かすプログラムを取り入れる。
- (注) ここでいう「協議体」とは、介護保険制度の生活支援・介護予防サービスの体制整備に向けて、市町村が資源開発を推進するために設置するものである。
福祉行財政と福祉計画
- 問題42 次のうち、法律で規定されている福祉計画の記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 市町村障害者計画は、市町村が各年度における指定障害福祉サービスの種類ごとの必要な量の見込みについて定める計画である。
- 2 都道府県子ども・若者計画は、都道府県が子どもの貧困対策について定める計画である。
- 3 都道府県老人福祉計画は、都道府県が介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施の支援について定める計画である。
- 4 市町村地域福祉計画は、市町村が地域福祉の推進について市町村社会福祉協議会の地域福祉活動計画と一体的に定める計画である。
- 5 市町村子ども・子育て支援事業計画は、市町村が教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の提供体制の確保について定める計画である。
- 問題43 次のうち、入所の仕組みを利用契約制度と措置制度に分けた場合、措置制度に分類されている施設として、適切なものを2つ選びなさい。
- 1 軽費老人ホーム
- 2 老人短期入所施設
- 3 障害者支援施設
- 4 児童養護施設
- 5 救護施設
- 問題44 地方公共団体の事務に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 地方公共団体の事務は、自治事務、法定受託事務、団体委任事務、機関委任事務の4つに分類される。
- 2 児童扶養手当の給付事務は、自治事務である。
- 3 社会福祉法人の認可事務は、法定受託事務である。
- 4 生活保護の決定事務は、団体委任事務である。
- 5 児童福祉施設の監査事務は、機関委任事務である。
- 問題45 「令和5年版地方財政白書(令和3年度決算)」(総務省)に示された民生費に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 歳出純計決算額は、前年度に比べて減少した。
- 2 目的別歳出の割合は、都道府県では社会福祉費よりも災害救助費の方が高い。
- 3 目的別歳出の割合は、市町村では児童福祉費よりも老人福祉費の方が高い。
- 4 性質別歳出の割合は、都道府県では繰出金よりも人件費の方が高い。
- 5 性質別歳出の割合は、市町村では補助費等よりも扶助費の方が高い。
- 問題46 社会福祉に係る法定の機関に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 都道府県は、児童相談所を設置しなければならない。
- 2 都道府県は、発達障害者支援センターを設置しなければならない。
- 3 市町村は、保健所を設置しなければならない。
- 4 市町村は、地方社会福祉審議会を設置しなければならない。
- 5 市町村は、身体障害者更生相談所を設置しなければならない。
- 問題47 次のうち、現行法上、計画期間が3年を1期とすると規定されている計画として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 市町村こども計画
- 2 市町村介護保険事業計画
- 3 市町村障害者計画
- 4 市町村健康増進計画
- 5 市町村地域福祉計画
- 問題48 次のうち、福祉計画を策定する際に用いられるパブリックコメントに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 行政機関が計画の素案を公表して広く意見や情報を募集する機会を設けることにより、人々の意見を計画に反映させる。
- 2 特定のニーズに対応するサービスの種類と必要量を客観的に算出することにより、サービスの整備目標を算出する。
- 3 専門家等に対して同じ内容のアンケート調査を繰り返し実施することにより、意見を集約していく。
- 4 集団のメンバーが互いの知恵や発想を自由に出し合うことにより、独創的なアイデアを生み出す。
- 5 意見やアイデアを記したカードをグループ化していくことにより、様々な情報を分類・整理していく。
社会保障
- 問題49 「国立社会保障・人口問題研究所の人口推計」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 2020年から2045年にかけて、0~14歳人口は増加する。
- 2 2020年から2045年にかけて、高齢化率は上昇する。
- 3 2020年から2045年にかけて、15~64歳人口は増加する。
- 4 65歳以上人口は、2045年には5,000万人を超えている。
- 5 2020年から2045年にかけて、総人口は半減する。
- (注) 「国立社会保障・人口問題研究所の人口推計」とは、「日本の将来推計人口(令和5年推計)」の出生中位(死亡中位)の仮定の場合を指す。
- 問題50 出産・育児に係る社会保障の給付等に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 「産前産後期間」の間は、国民年金保険料を納付することを要しない。
- 2 出産育児一時金は、産前産後休業中の所得保障のために支給される。
- 3 育児休業給付金は、最長で子が3歳に達するまで支給される。
- 4 児童手当の費用は、国と地方自治体が折半して負担する。
- 5 児童扶養手当の月額は、第1子の額よりも、第2子以降の加算額の方が高い。
- (注) 「産前産後期間」とは、国民年金の第1号被保険者の出産予定日又は出産日が属する月の前月から4か月間(多胎妊娠の場合は、出産予定日又は出産日が属する月の3月前から6か月間)を指す。
- 問題51 社会保険の負担に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 国民年金の第1号被保険者の月々の保険料は、その月の収入に応じて決まる。
- 2 介護保険の保険料は、都道府県ごとに決められる。
- 3 後期高齢者医療の保険料は、全国一律である。
- 4 障害基礎年金を受給しているときは、国民年金保険料を納付することを要しない。
- 5 国民健康保険の保険料は、世帯所得にかかわらず、定額である。
- 問題52 事例を読んで、Hさんに支給される社会保障給付として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Hさん(45歳)は、妻と中学生の子との3人家族だったが、先日、妻が業務上の事故によって死亡した。Hさんは、数年前に、持病のためそれまで勤めていた会社を退職し、それ以来、無職、無収入のまま民間企業で働く妻の健康保険の被扶養者になっていた。
- 1 国民年金法に基づく死亡一時金
- 2 厚生年金保険法に基づく遺族厚生年金
- 3 国民年金法に基づく遺族基礎年金
- 4 健康保険法に基づく埋葬料
- 5 労働者災害補償保険法に基づく傷病補償年金
- 問題53 労働保険に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 労働者災害補償保険の療養補償給付を受ける場合、自己負担は原則1割である。
- 2 労働者災害補償保険は、政府が管掌する。
- 3 日雇労働者は、雇用保険の適用除外とされている。
- 4 雇用保険の失業等給付の保険料は、その全額を事業主が負担する。
- 5 教育訓練給付は、雇用保険の被保険者ではなくなった者には支給されない。
- 問題54 事例を読んで、障害者の所得保障制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Jさんは、以前休日にオートバイを運転して行楽に出かける途中、誤ってガードレールに衝突する自損事故を起こし、それが原因で、その時から障害基礎年金の1級相当の障害者となった。現在は30歳で、自宅で電動車いすを利用して暮らしている。
- 1 Jさんの障害の原因となった事故が17歳の時のものである場合は、20歳以降に障害基礎年金を受給できるが、Jさんの所得によっては、その一部又は全部が停止される可能性がある。
- 2 Jさんの障害の原因となった事故が25歳の時のものであった場合は、年金制度への加入歴が定められた期間に満たないので、障害基礎年金を受給できない。
- 3 Jさんの障害の原因となった事故が雇用労働者であった時のものである場合は、労働者災害補償保険の障害補償給付を受けられる。
- 4 Jさんに未成年の子がある場合は、Jさんは特別障害者手当を受給できる。
- 5 Jさんが障害の原因となった事故を起こした時に、健康保険の被保険者であった場合は、給与の全額に相当する傷病手当金を継続して受給することができる。
- 問題55 老齢基礎年金に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 老齢基礎年金は、受給者の選択により55歳から繰り上げ受給をすることができる。
- 2 老齢基礎年金は、保険料納付済期間が25年以上なければ、受給することができない。
- 3 老齢基礎年金と老齢厚生年金は、どちらか一方しか受給することができない。
- 4 老齢基礎年金は、支給開始時に決められた額が死亡時まで変わらずに支給される。
- 5 老齢基礎年金の年金額の算定には、保険料免除を受けた期間の月数が反映される。
障害者に対する支援と障害者自立支援制度
- 問題56 障害者等の法律上の定義に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 「障害者虐待防止法」における障害者とは、心身の機能の障害がある者であって、虐待を受けたものをいう。
- 2 「障害者総合支援法」における障害者の定義では、難病等により一定の障害がある者を含む。
- 3 知的障害者福祉法における知的障害者とは、知的障害がある者であって、都道府県知事から療育手帳の交付を受けたものをいう。
- 4 発達障害者支援法における発達障害者とは、発達障害がある者であって、教育支援を必要とするものをいう。
- 5 児童福祉法における障害児の定義では、障害がある者のうち、20歳未満の者をいう。
- (注)1 「障害者虐待防止法」とは、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
- 2 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
- 問題57 障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 1949年(昭和24年)に制定された身体障害者福祉法では、障害者福祉の対象が生活困窮者に限定された。
- 2 1987年(昭和62年)に精神衛生法が精神保健法に改正され、保護者制度が廃止された。
- 3 2004年(平成16年)に改正された障害者基本法では、障害者に対する差別の禁止が基本理念として明文化された。
- 4 2005年(平成17年)に制定された障害者自立支援法では、利用者負担は所得に応じた応能負担が原則となった。
- 5 2011年(平成23年)に障害者基本法が改正され、法律名が心身障害者対策基本法に改められた。
- 問題58 「障害者総合支援法」における指定特定相談支援事業所の相談支援専門員の役割に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 障害福祉サービスを利用する障害者等に対して、サービス等利用計画案を作成する。
- 2 障害福祉サービスを利用する障害者等に対して個別支援計画を作成し、従業者に対して、技術指導、助言を行う。
- 3 障害福祉サービスを利用する障害者等に対して、居宅において入浴、排せつ又は食事の介護等を行う。
- 4 一般就労を希望する障害者に対して、就業面と生活面の一体的な相談、支援を行う。
- 5 障害福祉サービスを利用する障害者等に対して、支給決定を行う。
- 問題59 「障害者総合支援法」による自立支援医療に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 自立支援医療の種類には、更生医療が含まれる。
- 2 自立支援医療の種類にかかわらず、支給認定は都道府県が行う。
- 3 利用者の自己負担割合は、原則として3割である。
- 4 精神通院医療では、精神障害者保健福祉手帳の所持者以外は支給対象とならない。
- 5 利用者は、自立支援医療を利用する場合には、自由に医療機関を選択できる。
- 問題60 事例を読んで、V相談支援事業所のK相談支援専門員がこの段階で紹介する障害福祉サービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Lさん(30歳、統合失調症)は、週1回の精神科デイケアを利用している。Lさんは、過去に何度かアルバイトをしたことはあるが、症状の再燃により、短期間で辞めていた。最近になって、症状が改善し、生活リズムも安定したことから、将来を見据えて一般就労を希望するようになった。ただし、自分の能力や適性がわからないため、不安が強い。Lさんの相談を受けたK相談支援専門員は、障害福祉サービスを紹介することにした。
- 1 就労継続支援A型
- 2 就労継続支援B型
- 3 就労移行支援
- 4 就労定着支援
- 5 職場適応援助者(ジョブコーチ)
- 問題61 「障害者総合支援法」における障害支援区分に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 障害支援区分に係る一次判定の認定調査の項目は全国一律ではなく、市町村独自の項目を追加してもよい。
- 2 障害支援区分の認定は、都道府県が行うものとされている。
- 3 市町村は、認定調査を医療機関に委託しなければならない。
- 4 障害支援区分として、区分1から区分6までがある。
- 5 就労継続支援A型に係る支給決定においては、障害支援区分の認定を必要とする。
- 問題62 事例を読んで、M相談支援専門員(社会福祉士)がこの段階で行う支援として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
軽度の知的障害があるAさん(22歳)は、両親と実家で暮らしている。特別支援学校高等部を卒業後、地元企業に就職したが職場に馴染{なじ}めず3か月で辞めてしまい、その後、自宅に引きこもっている。最近、Aさんは学校時代の友人が就労継続支援B型を利用していると聞き、福祉的就労に関心を持ち始めた。Aさんと両親は、市の相談窓口で紹介されたW基幹相談支援事業所に行き、今後についてM相談支援専門員に相談した。
- 1 友人と自分を比べると焦りが生じるため、自身の将来に集中するように助言する。
- 2 一般企業で働いた経験があるので、再度、一般就労を目指すよう励ます。
- 3 地域にある就労継続支援B型の体験利用をすぐに申し込むよう促す。
- 4 Aさん自身がどのような形の就労を望んでいるかAさんの話を十分に聞く。
- 5 Aさんの日常生活の状況や就労の希望について、両親にも確認する。
低所得者に対する支援と生活保護制度
- 問題63 生活保護法に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
- 1 保護が実施機関の職権によって開始されることはない。
- 2 保護は、生活困窮に陥った原因に基づいて決定される。
- 3 最低限度の生活を保障することを目的としている。
- 4 自立の見込みがあることを要件として、保護を受けることができる。
- 5 自立を助長することを目的としている。
- 問題64 事例を読んで、生活保護法の定める内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
単身で2LDKの賃貸マンション暮らしのBさん(44歳)は、建設業に従事していたが半年前に自宅で骨折をして仕事を続けられなくなり、退職した。Bさんには遠く離れた故郷に父親(75歳)がいるが、父親も生活に余裕がない。Bさんは生活費が底をつき、生活保護を受給し、リハビリに励むこととなった。その後Bさんはリハビリが終わり、医師から軽労働なら就労できる状態だと診断された。求職活動をしたものの、年齢や技能の関係で仕事は見つかっていない。そこでBさんは今よりもう少し安い家賃のアパートに移ろうかと考えている。
- 1 就労に必要な技能修得の費用が生業扶助から支給される。
- 2 アパートに転居する際の敷金が生活扶助から支給される。
- 3 父親から仕送りを受けると、その金額の多寡にかかわらず保護は廃止される。
- 4 医師から就労できる状態だと診断された時点で、保護は廃止される。
- 5 父親は後期高齢者であるため、Bさんを扶養する義務はない。
- 問題65 生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 生活扶助の第1類の経費は、世帯共通の費用とされている。
- 2 住宅扶助には、住宅の補修その他住宅の維持のために必要な経費が含まれる。
- 3 介護扶助には、介護保険の保険料が含まれる。
- 4 医療扶助によって、入院中の被保護者に対して入院患者日用品費が支給される。
- 5 出産扶助は、原則として現物給付によって行われる。
- 問題66 生活保護制度における都道府県及び都道府県知事の役割や権限に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 都道府県は、福祉事務所を任意に設置できる。
- 2 都道府県知事は、地域の実情を踏まえて生活保護法上の保護基準を変更することができる。
- 3 都道府県は、町村が福祉事務所を設置する場合、その保護費の一部を負担する。
- 4 都道府県知事は、保護施設の設備及び運営について、基準を定めるよう努めることとされている。
- 5 都道府県知事は、生活保護法に定めるその職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任することができる。
- 問題67 事例を読んで、Cさんが生活福祉資金貸付制度を利用する場合の内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Cさん(50歳)は、R市で一人暮らしをしていたが、会社が倒産し、無職となった。雇用保険(基本手当)の給付を受けていたが、受給期間終了後も再就職先が見つからず、生活が苦しくなったので生活福祉資金貸付制度の総合支援資金を利用したいと思い、R市の社会福祉協議会に相談に訪れた。
- 1 貸付を受けるためには、連帯保証人が必須となる。
- 2 貸付金の償還が免除されることはない。
- 3 離職理由によって、最終貸付日から返済が開始されるまでの据置期間が異なる。
- 4 借入れの申込み先は、R市の福祉事務所である。
- 5 資金の貸付けを受ける場合には、必要な相談支援を受けることが求められる。
- 問題68 事例を読んで、生活困窮者自立相談支援機関のD相談支援員(社会福祉士)が提案する自立支援計画案の内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Eさん(50歳)は、実家で両親と3人暮らしである。両親はともに80代で、実家は持ち家だが他に資産はなく、一家は両親の老齢基礎年金で生活している。Eさんは大学卒業後、出身地の会社に就職したが人間関係がこじれて5年前に退職し、その後は定職に就かず、実家でひきこもり状態である。Eさんの状況を両親が心配し、またEさん自身もこの状況をどうにかしたいと考えて、Eさんは両親とともに生活困窮者自立相談支援機関に来所した。D相談支援員は、アセスメントを経て、Eさんに今後の支援内容を提案した。
- 1 社会福祉協議会での被保護者就労支援事業の利用
- 2 公共職業安定所(ハローワーク)での生活困窮者就労準備支援事業の利用
- 3 認定事業者での生活困窮者就労訓練の利用
- 4 地域若者サポートステーションでの「求職者支援制度」の利用
- 5 生活保護法に基づく授産施設の利用
- (注) 「求職者支援制度」とは、職業訓練の実施等による特定求職者の就職に関する法律(求職者支援法)に基づく制度のことである。
- 問題69 「ホームレスの実態に関する全国調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 概数調査によれば、全国のホームレス数は2022年に比べて増加している。
- 2 概数調査によれば、性別人数では男性より女性が多数を占めている。
- 3 生活実態調査によれば、ホームレスの平均年齢は2016年調査に比べて低下している。
- 4 生活実態調査によれば、路上生活期間「10年以上」は2016年調査に比べて増加している。
- 5 生活実態調査によれば、「生活保護を利用したことがある」と回答した人は全体の約7割程度である。
- (注) 「ホームレスの実態に関する全国調査」(厚生労働省)とは、「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)」(2023年(令和5年))及び「ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)」(2021年(令和3年))を指している。
保健医療サービス
- 問題70 公的医療保険における一部負担金に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 療養の給付に要した費用の一部負担金の割合は、一律3割である。
- 2 被用者保険に加入中の生活保護の被保護者は、一部負担金のみが医療扶助の対象となる。
- 3 正常な分娩{ぶんべん}による出産費用の一部負担金の割合は、3割である。
- 4 1か月の医療費の一部負担金が限度額を超えた場合、保険外併用療養費制度により払戻しが行われる。
- 5 入院時の食事提供の費用は、全額自己負担である。
- 問題71 「令和2(2020)年度国民医療費の概況」(厚生労働省)に示された日本の医療費に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 国民医療費の総額は40兆円を超えている。
- 2 人口一人当たりの国民医療費は60万円を超えている。
- 3 国民医療費に占める薬局調剤医療費の割合は、入院医療費の割合よりも高い。
- 4 国民医療費の財源に占める公費の割合は、保険料の割合よりも高い。
- 5 国民医療費に占める歯科診療医療費の割合は、入院外医療費の割合より高い。
- 問題72 診療報酬に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 診療報酬の請求は、各月分について行わなければならない。
- 2 請求された診療報酬は、中央社会保険医療協議会が審査する。
- 3 医療機関が診療報酬を請求してから報酬を受け取るまで約6か月掛かる。
- 4 診療報酬点数表には、医科、歯科、高齢の点数表がある。
- 5 診療報酬点数は、1点の単価が1円とされている。
- 問題73 医療法に基づく医療計画に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 国が、地域の実情に合わせて策定することになっている。
- 2 医療提供体制の確保を図るためのものである。
- 3 医療圏は、一次医療圏と二次医療圏の2つから構成されている。
- 4 病院の定義や人員、設備の基準を定めることになっている。
- 5 2年ごとに見直される。
- 問題74 訪問看護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 訪問看護は、看護師の指示で訪問看護サービスを開始する。
- 2 訪問看護ステーションには、栄養士を配置しなければならない。
- 3 訪問看護の対象は、65歳以上の者に限定されている。
- 4 訪問看護ステーションの管理者は、医師でなければならない。
- 5 訪問看護は、居宅において看護師等により行われる療養上の世話又は必要な診療の補助を行う。
- 問題75 次の事例を読んで、医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)が紹介した現時点で利用可能な制度として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
入院中のFさん(39歳、会社員)は、大学卒業後から継続して協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の被保険者であり、同じ会社の正社員である妻35歳と息子7歳との3人暮らしである。20代より生活習慣病を患い、保健指導と治療がなされたが行動変容は難しかった。Fさんは、3日前に糖尿病性腎症による人工透析導入のため入院することとなった。医師からは、約1か月間の入院となり、退院後は週に3日の継続的な透析治療が必要との説明を受けた。Fさんは、仕事は継続したいが、医療費や入院期間中の収入面の不安を訴えたことから、医師より医療ソーシャルワーカーを紹介された。
- 1 生活保護制度
- 2 労働者災害補償保険制度
- 3 高額療養費制度
- 4 傷病手当金制度
- 5 雇用保険制度
- 問題76 「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(2018年(平成30年)改訂版)」(厚生労働省)に沿った対応の方針として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Gさん(72歳)は、妻(70歳)と二人暮らし。10年前より筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断を受け、在宅で療養を続けてきた。診断を受けた当初、「人工呼吸器は装着せずに、自宅で自然な状態で最期を迎えたい」と言っていた。1か月前から言語の表出、自発呼吸が困難となり、人工呼吸器の装着について検討することとなった。
- 1 診断を受けた当初のGさんの意思を優先する。
- 2 Gさんに代わって、妻の判断を優先する。
- 3 Gさん、家族、医療・ケアチームによる話し合いの場を設定する。
- 4 家庭裁判所に判断を求める。
- 5 医師の医学的判断により決定する。
権利擁護と成年後見制度
- 問題77 次のうち、日本国憲法における社会権として、正しいものを2つ選びなさい。
- 1 財産権
- 2 肖像権
- 3 教育を受ける権利
- 4 団体交渉権
- 5 自己決定権
- 問題78 事例を読んで、Hの相続における法定相続分に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Hは、多額の財産を遺して死亡した。Hの相続人は、配偶者J、子のK・L・M、Hよりも先に死亡した子Aの子(Hの孫)であるB・Cの計6人である。なお、Lは養子であり、Mは非嫡出子である。Hは生前にMを認知している。
- 1 配偶者Jの法定相続分は3分の1である。
- 2 子Kの法定相続分は6分の1である。
- 3 養子Lの法定相続分は7分の1である。
- 4 非嫡出子Mの法定相続分は8分の1である。
- 5 孫Bの法定相続分は7分の1である。
- 問題79 遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 成年被後見人は、事理弁識能力が一時回復した時であっても遺言をすることができない。
- 2 自筆証書遺言を発見した相続人は、家庭裁判所の検認を請求しなければならない。
- 3 公正証書によって遺言をするには、遺言者がその全文を自書しなければならない。
- 4 自筆証書によって遺言をするには、証人2人以上の立会いがなければならない。
- 5 遺言に相続人の遺留分を侵害する内容がある場合は、その相続人の請求によって遺言自体が無効となる。
- 問題80 事例を読んで、Dさんについての後見開始の審判をEさんが申し立てた主な理由として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Dさん(80歳)は、子のEさんが所有する建物に居住していたが、認知症のため、現在は指定介護老人福祉施設に入所している。Dさんの年金だけでは施設利用料の支払いが不足するので、不足分はEさんの預金口座から引き落とされている。施設で安定した生活を営んでいるものの医師からは白内障の手術を勧められている。近時、Dさんの弟であるFさんが多額の財産を遺して亡くなり、Dさんは、Dさんの他の兄弟とともにFさんの財産を相続することとなった。Eさんは、家庭裁判所に対しDさんについて後見を開始する旨の審判を申し立てた。
- 1 Dさんの手術についての同意
- 2 Dさんが入所する指定介護老人福祉施設との入所契約の解約
- 3 Dさんが参加するFさんについての遺産分割協議
- 4 Dさんが入所前に居住していたEさん所有の建物の売却
- 5 Dさんの利用料不足分を支払っているEさんの預金の払戻し
- 問題81 事例を読んで、Gさんの成年後見監督人に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
知的障害のあるGさん(30歳)は、兄であるHさんが成年後見人に選任され支援を受けていた。しかし、数年後にGさんとHさんの関係が悪化したため、成年後見監督人が選任されることとなった。
- 1 Gさんは、成年後見監督人の選任請求を家庭裁判所に行うことができない。
- 2 Hさんの妻は、Hさんの成年後見監督人になることができる。
- 3 GさんとHさんに利益相反関係が生じた際、成年後見監督人はGさんを代理することができない。
- 4 成年後見監督人は、Hさんが成年後見人を辞任した場合、成年後見人を引き継がなければならない。
- 5 成年後見監督人は、GさんとHさんの関係がさらに悪化し、Hさんが後見業務を放置した場合、Hさんの解任請求を家庭裁判所に行うことができる。
- 問題82 次のうち、「成年後見関係事件の概況(令和4年1月~12月)」(最高裁判所事務総局家庭局)に示された「成年後見人等」に選任された最も多い者として、正しいものを1つ選びなさい。
- 1 親族
- 2 弁護士
- 3 司法書士
- 4 社会福祉士
- 5 市民後見人
- (注) 「成年後見人等」とは、成年後見人、保佐人及び補助人のことである。
- 問題83 成年被後見人Jさんへの成年後見人による意思決定支援に関する次の記述のうち、「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」に沿った支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 Jさんには意思決定能力がないものとして支援を行う。
- 2 Jさんが自ら意思決定できるよう、実行可能なあらゆる支援を行う。
- 3 一見して不合理にみえる意思決定をJさんが行っていた場合には、意思決定能力がないものとみなして支援を行う。
- 4 本人にとって見過ごすことのできない重大な影響を生ずる場合にも、Jさんにより表明された意思があればそのとおり行動する。
- 5 やむを得ずJさんの代行決定を行う場合には、成年後見人にとっての最善の利益に基づく方針を採る。
- (注) 「意思決定支援を踏まえた後見事務のガイドライン」とは、2020年(令和2年)に、最高裁判所、厚生労働省等により構成される意思決定支援ワーキング・グループが策定したものである。
「第36回音声読み上げ用試験問題一覧」のページに戻る