研修

海外研修・調査

民間社会福祉施設職員等海外研修・調査:研修報告

2019年度児童班

今まで日本の施設視察もほとんど経験がないのに、海外研修に参加できることは楽しみでもあり、不安でもあった。研修では、自園でも取り入れているピラミッドメソッド(サークルタイム、プロジェクト、コーナー保育)、ドキュメント、モンテッソーリ教育を実際に目で見てその環境に触れることができ、またそれぞれ特徴ある園の理念や情熱あふれる園長先生の話を聞くことができ、大変勉強になった。特にプロジェクトでは自園は月のテーマで各学年で取り組んでいるため、ひと月以上もかけて深く掘り下げることは難しいが、縦割りクラスで数ヶ月もかけて取り組んだ作品は、繊細な部分とダイナミックな部分と色鮮やかに表現されており感動した。森の保育園では育ってほしい10の姿の手本になるような(昔の日本の子どもの姿)子どもたちのたくましさに驚かされた。興味や関心を持った遊びを十分に楽しめるように見守り、危険なことも排除するのではなく、経験させ、子ども自らが危険なことに直面した際にサポートすると園長先生は話していた。自分自身で経験させることも大事だが、保護者対応から安全面に配慮した保育をしているような気がした。子どもに育てたい力は何か、それに必要な遊びや環境は何かを考え、保育教諭が同じ認識と情熱を持ち、保育・教育をしていきたいと強く感じた。
今回学んだことをどのように生かしていけるかも自身の課題ではあるが、自園の伝達研修を通して海外の保育園・幼稚園の素晴らしさ、日本の保育・教育も負けていないよい点(安全面や清潔)もあることをしっかり伝えていき、後輩たちにも海外研修に積極的に参加して、自身の保育の視野を広げるようアドバイスしていきたいと思う。

「普通にみんなが幸せなことが一番ですよね」…。最後の視察先の園長先生の一言が、今回の視察で最も響いた言葉だ。帰国後も〈普通に、子ども・保護者・職員・地域のみんなが幸せ〉と感じるためにはどうすればよいのだろうと考える日々が続いている。
ドイツ・フィンランド、それぞれの視察先では、職員がきちんと園の理念を理解し、その理念に基づいて作られた環境を活かして保育を行い、子どもたちの【遊びながら学ぶ】につなげている様子がみられ、それは子どもたちにとっても職員にとっても、楽しく幸せなことだと感じた。
特に印象に残ったのは、デジタル機器を全く利用しない園と、タブレットの活用やクロマキー技術の導入などデジタル機器をふんだんに利用した園だ。真逆の園を視察することで、「子どもにとってより良い環境」の奥深さを痛感した。IT技術なしでは生活しづらい社会で、子どもの頃こそ自然物のみと触れ合って過ごすことがよいのか、デジタル機器に触れ「メディアが偽物であることを知る(施設先職員談)」ことができるような環境がよいのか、自園でもICTを導入しているため、今後の活用方法について考えさせられた。
また、全施設で共通して感じたことは、日本との大人と子どもの関係性の違いだ。日本のように「先生」が先頭だって導くよりも、「子ども」が進むその先を後ろから「大人」が見守り手助けするようにみられ、その関係性が【生きる力】を育むためには重要で、故にヨーロッパは「教育先進国」と言われるのだと感じた。

発見と驚きの毎日で、この研修に参加できたご縁に心から感謝したい。
保育士の一人当たりに対する子どもの人数が日本より少ない中、ゆったりとした保育が行なわれていることが印象的だった。保育士は子どもの主体性を大切にしながら興味関心を広げていく様子が見られたが、その背景にはそれぞれの分野に合わせた専門的な資格をもつことによってより説得力をもつものになっているように思えた。ドイツのアトリエリスタや治療教育士、フィンランドでの幼児教育専門の保育士、特別支援教育の資格をもつ保育士などさまざまな資格があり、保育士の資格の上に専門分野に特化した明確な資格があることで、保育士の専門性がより確立されているように感じた。私自身、保育士に向けられる目は、いまだに子どもと遊んでいるだけの仕事と思われていると感じることが多々ある。キャリアアップ研修などで分野別に専門的な研修を受ける機会ができたが、分野によっては資格として確立していき、保育士の自信や社会的地位の向上につながればと思う。各園の先生方が自信をもって自園の取り組みや自分の仕事について語る姿がとても印象的であったので、そのように自信をもって語れるような保育を自分もしたいと、改めて思った。
一方で、社会が変化する中で子どもや保護者が変わってきている問題や保育士不足の問題、メディアなど子どもを取り巻く環境変化の問題など、抱える問題は日本と同じであることもとても興味深かった。現場で働いている保育士の先生の声だったのでよりリアルなものに感じ、広い世界がより身近に思えた。

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