研修

海外研修・調査

民間社会福祉施設職員等海外研修・調査:研修報告

2022年度児童班

個々を尊重する保育の在り方について

1.本研修で学んだこと
フィンランドの教育システムについて知るのが初めてで、すべてが新鮮だった。すべての人に学ぶ権利があり、やり直しのきく教育という点においてとても感心した。またネウボラ・プレイパークというサポートがしっかりと備わっていることも、子ども・保護者に留まらず国単位で見たときの強みになっているのではないかと感じた。またその中でも細かく母・子・家族へのサポートでも分かれており、家族だけで子育てするのではなく、関係機関との中で育っていくのだと知った。こういった支援の中で育つ子供たちは、健やかな育ちが保証され、その子たちが幸せな国を作り、支えていくと考えた。
2.自身及び所属施設と比較し、考え方や方針の共通点または相違点、課題と思われること
子育てについて、日本は孤立して相談する相手がいない家庭や周囲の協力を得られない家庭など、様々な要因から児童虐待や孤立出産が増えている。それに比べフィンランドでは妊娠時のネウボラの利用から始まり、様々なサポート体制があるために虐待件数や孤立出産などが少なく、そこが日本とフィンランドの大きな違いであり課題だと感じた。自身としては、ネウボラやプレイパークといった支援方法にはとても賛成であり、現状の日本にはとても必要なことだと考える。人員や日本の教育制度など課題となる事はたくさんあるとは思うが、虐待を減らしていくためにはとても参考になる方法だと感じた。
3.上記2つを踏まえ、今後活かしていきたいこと
本研修を受け、今すぐ日本の教育制度を変えたり、なにか活動を起こすことは難しいと思うが、保育現場にいる上では、ネウボラのように子育てをしている家庭に寄り添い相談をきいたり、声をかけていくことからでも始められたらと考えた。そういった小さなことからでもサポートすることの重要さをしっかりと感じ、日常の保育にもなにかプラスになる事をしていけたらと思う。

家族、地域、関係機関との連携の在り方について

1.本研修で学んだこと
フィンランドの保育を聞く中で“子どもが何をしたいのか、子どもの思いや意見を聞く”など子どもに目線を置いた保育をしていると感じました。それはただ保育士がそこに意識しているだけでなく、保育の中で子どもたちが自分たちの意見や思いを子ども同士、大人に対して伝えることを乳幼児期の時から対話ができるように進めていることにも日本の一般的な保育園、子ども園等との違いを感じる場面でもありました。  個人指導計画に関しても保育士だけでなく、専門的な方や保護者、子どもも入って作り上げていくことに、保護者にとっては園が我が子のどこを伸ばしていきたいのか理解でき、一緒に子育てをしているような安心感を感じることが出来ると思いました。また子どもにとっても何が目標なのか分かるため、目標を意識した過ごし方が出来る子もいるのではないかと思い、色々な面でメリットが多いと感じました。
2.自身及び所属施設と比較し、考え方や方針の共通点または相違点、課題と思われること
自身の園の保育においても子どもの関心、楽しいことなど子どもの気持ちに立った保育を目指している部分もあるが、活動も多いため子どもたちがゆったりとした環境の中で長い時間をかけて一つのテーマを探求するような取り組みを行えていない現状があります。
また運動会やお遊戯会など行事在りきなものもあり、フィンランドの保育では子どもにとってどうなのか考えながら保育を行なっているため運動会やお遊戯会のような行事は行なっていないと聞き、園とフィンランドの保育園の違いを感じました。
3.上記2つを踏まえ、今後活かしていきたいこと
一つとしては小グループでの取り組みを取り入れていくことを考えています。幼児組ではクラス全体や半数で活動をすることはありますが、フィンランドのように6人程度の人数で取り組みを行なうことはないため、そのような取り組みを取り入れ、小グループの中で子ども同士の対話をする環境を整え、より一人ひとりの子どもたちの様子を丁寧に見ていけないかと思います。
二つ目として子どもたちが自分の思いや意見を言える、自分で考えて選べるような環境を園全体で整えていくことはできないかと思っています。各学年で子どもが自分の思いを話せるなどできるよう様々な取り組みの中で進めていますが、フィンランドの保育では乳児の時から絵カードを使い、表現できるよう進めているなど小さい時から対話が出来るような環境を整えているため、園全体で共通の意識でできるよう提案していきたいと思っています。
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